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全造連.net updated 2008-08-27

第2回  長野県美術教育研究会+都図研 実践交流会

日時  平成20年2月16日 午後2時〜4時30分
会場  豊島区立巣鴨小学校
司会  時任 勝(東京都図画工作研究会 理事長)

1 あいさつ
  東京都図画工作研究会 会長  辻 政博
  長野県美術教育研究会 会長  寺島頼利

時任

 全造の長野大会をきっかけに都図研と長野の交流がはじまった。おととしが1回目だった。若い世代へ実践をつなげるという主旨がある。昨年は忙しくてできなかった。今年は2回目である。

 昨日、北区の講師に行った。そこで午後5時ごろ新学習指導要領がでるという話しを聞いた。朝の新聞(朝日)の指導要領の記事では、図工の欄が一番少ない。図工は蚊帳の外なのか。
 10年後の改訂に向かって、現場の連携や実践交流の中から運動をおこしたい。
 2月24日(日)から、日本科学未来館で「∞のこどもたち」展を行う。

寺島

 今日は長野が寒かった。熱い思いで長野から来た。長野県でも図工が一番がよい。理科、社会、国語はもともと元気がよかった。このごろ自己崩壊をおこしている。図工と美術は一体となって、題材づくりから、子どもと向き合って研究している。パターンで流す先生も残念ながらいる。
 昨年から美術館との交流で研修会を開催する。
 本日は、お互いに質疑し合い、研究を深めたい。お手やわらかにお願いします。

2 長野県美術教育研究会実践発表
 長野市立松代小学校  野田俊司教諭 
「文武学校を活用した活動」

   
・ 本校の校舎は「文武学校」を取り囲むようにつくられている。日常とは異なる独特の空間である。本校では日々の教育に文武学校を活用している。本校の子どもの実態として、何に対しても楽しんで取り組む。しかし、もっとこだわりをもって活動してほしい。そこで文武学校を図工の授業に活用した。
・ 「120年前から生きている生き物」の実践では、素材集め、途中での鑑賞、文武学校の中で作品づくりを行う、などを行った。A君は「ライオンのような顔の不思議なリス」をつくった。そしてこの作品を飾って、文武学校で美術館を開いた。
・ そして次に、「文武学校を明かりで飾ろう」という活動を行った。道具として「スタンドライト」という機具を使った。造形遊びとの関連を想起させる活動にもなった。「ツリーハウス」では松代焼きの破片を素材として使った子がいた。これは赤い光が壁に映り、場とのかかわりも生まれた。文武学校の天井の構造からの発想で、ミニ文武学校(のライト)をつくる子もいた。「光る絵手紙」にする子もいた。そして、文武学校で2回目の美術館を開いた。
・ 子どもの表現は内から出てくるものと思う。これからも地域素材の活用をし、子どもたち同士の対
話を大切にして実践を行っていきたい。

長野市立三本柳小学校 徳嵩博樹教諭 
「ポケットアルバム」の実践から 


・ 三本柳小は15周年、ボスニアとの交流をおこなっている。主役は子どもであり、学校である。
・ 子どもの表現を残したい、写真に残したい、との思いから「ポケットアルバム」に子どもの写真と作品の写真をいれて記念に残す、ということを行っている。
・ 「ポケットアルバム」には、自分のつくったブロックや粘土作品を撮影して、入れる子どももいる。いろいろな活用ができ、発展している。
・ なぜアルバムなのか? 人と人をつなぐコミュニケーションのもとになる。人づくりが中核である。写真の表情の先に何を読むか? 親の願い、学校への期待、生命のつながり・・・。よりよい未来、社会のあり方を考えていくことにつながるのではないか。
・ 課題は、他校への実践につなげていくことである。
・ 「図工通信」を発行している。目指す教師像は、保護者が美術教育の重要性を理解できるよう、説明できる力をもつことだと思う。
・ 図工美術教師は学校全体をコーディネートできる力をもちたい。多田千尋氏(おもちゃ美術館館長)の講演会を学校で行った。教頭先生の助言で案内状には、「図工」でなく、「遊び」「学力」というテーマを全面に出した。図工という教科内の問題でなく、子どもや社会とのかかわりに視点をおいたことで、保護者をひきつけた。「保護者主義」も大切。

★ 意見交換

岡田

 文武学校に入るのに書類がいるのに中で活動できて、よいと思う。他にも外の活動はあるのでしょうか。

野田

 林の中で自然物を並べる実践などを行っている。

岡田

 徳嵩先生の実践からは、図工の中だけで話していては駄目で、社会の中にどうアピールしていくか考えたいと感じた。

横内

 2月12日(火)の国研(国立教育政策研究所)での発表会から、算数の図形領域において「感覚」、「美しさ」という言葉が使われていた。しかし算数の方々は、芸術的な「美」とは違うといっている。先ほどのお二人の実践は大変よかった。もう一歩ふみこんで、算数での「美」の中心は、図工にあるのだという発信にむけて、さらに活躍してほしい。

高橋

 つくったり表したりする活動には、大人も体験できない、重要なものがある。子どもが成長していく時に、図工には「発見」「ひらめき」「世界が変わる瞬間」がある。
 図工のチラシの戦略は必要なことかもしれない。

大町市立第一中学校  千原 厚教諭 
「作家とともに作品を展示」 


・ 中学校を地域の美術館にするという実践を報告します。こちらで都展を見に行った。驚いたのは人がいっぱいいたこと。子どもの作品を通してやりとりしていた。語っていた。
・ 授業を生活に密着させること、価値づけることが大切だと思う。
(画像とともに実践を紹介)
・ 廊下で絵を乾かすと自然に、廊下を通る人が自由に作品を見るようになる。
・ 絵の具の実践で、書を習っている子は、音楽室に作品を飾りたいと言った。
・ 紙の作品は、日中と夜で作品が違って見えた。
・ 作品を飾るという活動は、造形活動としての位置づけがある。画家や他の教師も展示に参加した。
・ 流木アートの実践を紹介します。雪をかぶっている作品も。(画面を見せながら)
  

長野市立川中島中学校 森  崇教諭 
「川中島白桃PR大作戦」


・ 生徒は、図工はすき、美術はきらい。逆転を何とかしなければ。
・ 川中島白桃が特産。地域再生を図工美術の力でと、「川中島白桃PR大作戦」を考えた。
(画像で実践を紹介白桃のキャラクターのデザインをつくる。白桃の広告に生徒がつくったキャラクターを使用する)
・ 異年齢での活動、地域との共同学習、大学との連携も。
・ 題材に必然性をもたせたい。
・ 自己肯定感、認め合いを取り入れたい。
・ 制作に見通しをもたせたい。
・ 発想段階で友達や外部の人とかかわりをもたせる。学習カードや付箋紙も活用した。
・ 生徒のデザインで、白桃のストラップ。JAが制作。白桃の広告ポスターに子どもの作品を掲載した。子どもは生活に生かされていることを実感した。

★ 意見交換

大畑

 自分もがんばらなければならない。

黒澤

 最近悩んでいる。自分の存在は・・・? 子どもたちが社会とつながっていることを実感するのはすごい。

横内

 新学習指導要領すべての領域で「言語能力」が重視されているが、あまりにも言語活動にかたよるのはおかしい。音楽でも鑑賞を言葉であらわす活動がある。時間数がきびしい中学の美術で大切にするものを考えるとき、あまりにも「言語」にかたよっていないだろうか。

 東京には「都中美」がある。実践交流はしていない。都展の会場では中学は「セット教材」が多い。セットされたものをもってきて授業してしまう。今日の実践では、子どもの「必然性」をどこに見いだしていくかを考えられていた。指導要領の「共通事項」は小学校から中学校まで共通に身につけさせたい能力。内容主義になっては困る。ひな形を追っていくのではなく、実践交流の中から考えたい。

3 東京都図画工作研究会実践発表
江戸川区立清新第三小学校 加藤貴子教諭 
「展覧会でのエピソードから」


(映像を写しながら紹介 口頭で補足)
・ 今回の展覧会は図工専科になって初めてのものだった。
・ 「ときどき図工室だより」を発行している (パソコンでなく手書き)
・ 展覧会で飾るペットボトルの色水を、家に持ち帰っていたら、親が誤って捨ててしまった。普段おとなしい子どもが、とても怒った。
・ オープニング集会 みんなの色水を並べる。ファンファーレ 校長のテープカット
・ 夜の展覧会 やきもの 影あそび 
・ ギャラリートーク (子どもだいすき展を参考にした)
6年O君の作品 じっくりと見る 1分 「何が見えますか?」
O君「最初はサッカーをつくっていた。でもうまくいかなかったので、もとに戻そうとした。白ではつまんないので銀色をぬった。」
母「感動しました。(あんなに話す子ではないので)」 題名「サッカーが・・・」
・ 全校で「造形タイム」
1、2年 線路  
3年 ペットボトル  
4年 新聞で玉を一人10個つくり、防災ずきんをかぶってぶつけあう。新聞紙で家をつくる。  
5年 新聞でタワー(大人が入ってしまう)
6年 スズランテープ カラーテープ・アート スズランテープは、「ピエロ」に再利用
「担任にとって卒業の年に展覧会って・・・モチベーションがあがらない。でも今年は団結できた。」 アートな作文をかく(担任)

★ 意見交換

野田

 (担任の立場から)図工をやると学級が良くなる。ギャラリートークで友達の作品を紹介しあう実践があったが、国語では、子ども同士のやりとりが盛り上がらない。図工では活発になる。自分は担任なので学級の中だけ。全校に思いが伝わらない。

 子どもがやりたいことをみつけてやる。先生が喜んでいられる。子どもが楽しいことをしていて、一緒に楽しめることがいい。他の先生にも影響して、その先生もやってみようとなる。

平田

 全造長野大会で発表をみた。そのときは映画を作っている実践発表で、(予算もかかるので)長野県は力をいれているなあと思った。
 現代美術館に学校の児童を連れていって鑑賞を行った。感想を書かせると、現代美術館の感想でなく、絵をかくことそのものについての感想をかく子がいた。その子は作品鑑賞しながら、いろいろなことに思いをめぐらせているのではないか、と感じた。

 今、学習指導要領へのパブリックコメントを募集している。図工へのコメントを寄せて欲しい。(家族など 教員はできない)どれだけ数が集まったかで、判断の材料になる。メールもできる。

4 謝辞 
東京都図画工作研究会前会長 鈴石 弘之


 ずっと昔、吉田会長の時、山梨県で鑑賞の研修を、一泊で行った。そのくらい元気にやってほしい。胃袋も大切。千原先生の実践、面白かった。小と中がつながっていく。
 作品をつくるということは、子どもが生きていること。人間って何? ということ。

5 おわりのことば   
東京都図画工作研究会副会長 庖刀由利子


 昨日、NHKの「マルセルデュシャン」の番組を見た。「こういう物の見方を考えること、技能だけでなく、生き方考え方が大切なのではないか」と自分の子どもと話をした。
 今日は、ありがとうございました。

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当日の様子

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